インドネシアの土地

世界で4番目に多い人口を有し、平均年齢が約29歳と非常に若く、資源が豊富なインドネシアは、アジア経済を牽引する巨大な市場を持っています。近年、中間層の拡大と都市化により経済がますます発展傾向にあり、不動産市場が成長しています。また、地下鉄(MRT)の開通により、今後ジャカルタの不動産価格はさらに上昇すると言われ、不動産市場が非常に注目を集めています。外資系企業もたくさん進出している中、投資や不動産購入に興味を持っている方も多いのではないでしょうか?「インドネシアで外国人が不動産を購入できるのか?法律・税制等はどうなっているのか?」と疑問を抱いている方が多いと思います。外国人がインドネシアの不動産を購入する際の規制等ついて以下でご説明致します。

外国人は個人でインドネシアの土地を購入できない

インドネシア共和国での土地の所有権利は、個人が取得する場合には、「所有権」と「使用権」とに分けられます。
「所有権」はインドネシア人にしか認められていません。したがって、外国人は個人名で土地を購入することはできず、建物の所有権利は土地の権利に付随します。それに対し、「使用権」は、外国人が個人でも取得することができます。したがって、外国人は政府又は個人が所有している土地を借りて、その上に建物を建てて使用することが可能となります。

所有権(Hak Milik)/フリーホールド(Freehold)

土地の永久所有権利を意味し、土地(一定の住居用の不動産を除く。)の所有権を取得できるのはインドネシア国民に限られています。[※特例として政府が許可した特定の法人にはその取得の権利が与えられます。基本的には不可。]法人は内国法人・外国法人に限らず原則土地の所有権を取得することができません。このHak Milikは相続、または第三者への譲渡及び担保設定なども可能な権利です。

使用権(Hak Pakai)/リースホールド(Leasehold)

政府又は個人が所有する土地を使用する権利を意味します。インドネシア国民、及びインドネシアに居住する外国人や外国資本を含むインドネシア共和国の法律に従って設立された法人に対し、取得の権利が与えられます。また相続、及び第三者への譲渡、担保権設定等も可能な権利です。

外国人がインドネシアで不動産を所有するための方法

外国人がインドネシアで不動産を所有できる方法として最も安全なのは、個人の場合におきましては使用権を利用して所有するという方法です。また、インドネシアに会社を設立して不動産を購入する方法やインドネシア国籍を持つ人物の名義を借りて取得するという方法もあります。

長期レンタルでの取得

外国人が個人のパスポートだけで契約することができる一般的な手法で、外国人がインドネシアに居住する場合、「使用権」というカテゴリーにて物件を購入することが可能となります。
「使用権」には以下のような権利と条件の制約があります。
外国人でもインドネシアの土地付きの家を30年間という期間限定で購入することができ、2回まで延長可能となっています。1回目の延長では30年間の延長が認められ、2回目の延長では、さらに20年間の延長が認められていますので、結果的に最大80年までの使用が可能となります。
ここで注意しなければならないのは、外国人がインドネシアで購入することのできる物件には、地域によって最低金額が定められているということです。これは州ごとに異なっていて、ジャカルタでは一戸建てがIDR100億(約7,400万円)、アパートやマンションなどの区分所有はIDR30億(約2,220万円)で、バリ島の場合は、一戸建てがIDR50億(約3,700万円)、アパートやマンションなどの区分所有はIDR20億(約1,480万円)が最低購入価格となっています。外国人はインドネシアの物件を第三者に直接貸し出すということはできませんが、土地の持ち主に協力して貰い、短期の利用者向けに貸し出しを行うことは可能です。

会社を設立して不動産を取得

Hak Milikの物件の売買は、外国資本が100%のインドネシア法人を設立すれば売買が可能となるのですが、設立までには約数か月、場合によっては半年以上の期間がかかてしまいます。また、出資資本金も非常に高額で、億単位で投資ができる人に限られてしまいます。現在は、政府が非常に厳しく、外資100%を所有する条件を満たす事業許可を得ることはほぼ無理な状況ですし、会社設立後の維持・管理についても、法人として様々な対応や手続きが必要です。また、法律も都合よく変わったりする[通常は外国人に不利な状況になる]ので、あまり有効な方法ではないと言えます。

インドネシア人に名義を借りて所有権で取得する

土地の所有権は基本的にインドネシア国籍の人物しか所有することは不可能となっています。そこで、インドネシア人の名義を借りて不動産を購入するという方法が考えられます。この場合、法律事務所を通して名義を借りている人物との間にノミニ―契約を作成し、土地を購入して貰うという方法になります。しかしながら、どのような書類を作成したとしても土地の権利書は外国人の名義になるということは無いので、名義借りを行った人物との信頼関係が悪化し、権利を取り返そうとした場合には、大変困難な状況に陥ってしまいますのでお勧めできません。永木を貸してくれた人物が身内であっても起こっている問題ですので注意が必要です。

インドネシアにおける不動産手続きの重要事項

インドネシアでの不動産の購入にあたっては、信用のできる不動産会社、フリーランスの土地紹介エージェント等から紹介してもらうか、または自身の足で候補地を見て回り、候補地を絞っていくというのが、一般的な流れとなります。ある程度の候補が絞れた後、次に土地の金額交渉に入ります。売主側は、買主側の購入に対する姿勢や購入への真剣さをこの金額交渉から測りますので気を付けましょう。そして、購入金額について両者の同意が得られた後は、以下の項目の確認を行います。

  • 自分が契約しようとする相手が真の法的所有者かどうか
  • 物件の抵当権の有無
  • 建築規制、及び建蔽率の制限の有無
  • 登記簿謄本記載の面積と一致するかどうか
  • 建物がある場合は、IMB(建築許可)の有無、既存の建物と製図が一致しているか
  • 都市計画にて定められている土地使用方法と今回の土地使用方法との間の相違点
  • 物件から公道までのアクセスの確認
  • 電気・電話・水などのライフライン


日本ではあり得ないような問題がいろいろと起こるのが海外での不動産購入なので、上記内容等を事前に確認することは大変重要です。後から問題が起こって慌てるようなこともなくなりますし、本来なら払う必要のない無駄な経費を抑えることができるので、手間がかかっても確認を怠ってはなりません。土地の調査は、弁護士等の専門家が土地役所にて、瑕疵調査内容に記載されていることを確認するだけではなく、書面にて明確な調査を合わせて行うことで、土地の調査は終了となります。したがって、土地の調査はITR(Informasi Tata Ruang)レポートの取得をもって完了となります。
ITRレポートは、土地の所有者、面積等の基本的な情報以外に、その土地が位置するエリアの建設規定、そして当該土地を対象に建物を建設する際、公道から何m下がって立てる必要があるか等の規定、建蔽率など、詳しい情報が記載されている正規の書類です。
ITRレポートの取得は購入時に大事な判断基準となるだけではなく、その後の建設の手続きの際に必要な書類の一部となります。 インドネシアでは、外国人の不動産所有形態に関する規制が、政府によって変更されることが多々あるので、不動産の購入をご検討される場合には、法律・税制に詳しい専門家や法律事務所等のアドバイスを得ることが大切です。

タイトルとURLをコピーしました