海外で働くにあたって必要となってくるのが就労ビザです。海外で働きたいと思っても、アメリカやヨーロッパ等の先進国では就労ビザを取得するにはかなり厳しい条件が付いていて、なかなか簡単には働けないという状況にあります。もちろん、インドネシアも就労ビザ所得条件が年々厳しくなってきていますが、まだ比較的取りやすい方だと思います。そこで、今回はインドネシアで就労ビザを申請・取得するために知っておきたい事柄を以下に記して参ります。
インドネシアでの就労ビザ
015年の6月12日から滞在期間が30日以内で、渡航目的の内容が観光、芸術・文化活動、講義・セミナー・展示会参加等での出張であれば、インドネシアへの無査証入国が認められています。しかし、インドネシアでの就労においては、就労目的の一時滞在ビザ(C312)の取得が必要です。その他のビザでは就労することはできません。
インドネシアでは目的によってビザの種類が異なるので注意が必要です。視察や会議までが目的であればビジネスビザ(212のマルチプルビザ)を取得すればよいのですが、工場への立ち入り・視察は就労とみなされる可能性が高く、一時滞在ビザ(C312)を取得する必要がある場合があります。
ただし、就労とみなされる範囲がその担当入国管理官の解釈次第なため、どのビザの種類を取得すべきか不明な部分があるので、まずは専門家・エージェントに相談して確認を取った方が良いです。過去に工業団地のお客様の事務所でミーテイングをしただけなのに、高い罰金を支払わせられたというケースもあります。
就労ビザを取得するためには、大学卒業以上の学歴と、5年以上の就労経験、新規取得は60歳未満でという条件があります。そのため、原則新卒でのインドネシア就職は制度上難しく、シニア人材も周辺諸国ではあまり見られない年齢制限の上限があるため受け入れられていません。国内の失業率を減らすために、年々就労ビザ取得の審査・条件は厳しくなる傾向にあります。原則として新卒でのインドネシア就職は制度上難しく、シニア人材も東南アジア周辺諸国ではあまり見られることがない年齢制限の上限があるため受け入れられてはいませんが、この条件を満たしていなくてもビザが発給されるケースがあるので、就労ビザを専門に扱っているエージェントに確認を取ることがベストです。
外国人の労働
インドネシアにおける外国人の労働には労働大臣等の許可が必要で、外国人の労働は特定の職務および期間に限られており、役職規定や能力基準を遵守することが求めらています。外国人の労働を制限する「特定の役職および期間」、そして外国人労働者が守るべき「役職規定や能力基準」については、労働大臣決定で詳細が規定されています。
※能力基準とは専門の知識や技術のほか、インドネシア文化に対する理解も含んでいます。
●2018年3月26日付大統領令 2018年第20号において、インドネシア人の雇用を優先することを大原則としつつ、インドネシア人が担うことができない特定の役職に限って、特定の期間、外国人を雇用することができるとしており、外国人の雇用には以下のものを必要としています。
- 外国人雇用計画書(RPTKA)の策定と承認(取締役またはコミサリスとして就労予定の株主を除く)
- 外国人労働者の雇用予定の通知(同上)
- 外国人労働者雇用補償金(DKP-TKA)の納付(同上)
- 一時滞在ビザ(VITAS)の取得
- 外国人が有する技術および専門性を移転し外国人の後継となるインドネシア人の指名(コミサリス、取締役として就労予定の外国人を除く)
- VITASの後継インドネシア人への技術と専門性の移転を目的とした教育訓練の実施
- 外国人労働者に対するインドネシア語の教育訓練
- 外国人労働者の国家労働社会保障(就労期間が 6 ヶ月を超える外国人労働者)および/あるいはインドネシア法人格を有する保険会社の保険(就労期間が 6 ヶ月までの外国人労働者)への加入
●2018年7 月1日付労働大臣規定 2018 年第 10号において、インドネシアで雇用される外国人労働者は次の要件を満たすことが義務付けられています。
- 就労予定の役職要件に応じた学歴を有していること
- 就労予定の役職に従った、少なくとも5 年間の就業経験を有すること
- インドネシア人労働者、特に外国人の後継となるインドネシア人に専門知識の移転をする準備があること
- 納税者番号を有すること(就労期間が6ヶ月を超える外国人労働者)
- 一時滞在許可(ITAS)を有すること
(注)大学卒業以上の外国人でないと1年以上の労働許可が認められず、半年程度の労働しか認められないというケースが多々あり、これは上記の規定によるものととらえる向きがあります。また、60歳以上の労働が認められない、雇用主がインドネシア資本の会社の場合、会社の資本金が100億ルピアを超えていなければ複数の外国人の就労を認めない、事業許可未取得の企業ではコミサリスや取締役といえども労働ビザを認めない、といったようなルールが適用されるので注意が必要です。 また、この大臣令により、短期就労が認められる一時的業務の種類が次のように限定されました。
- 商業目的の映画製作で、当局からの許可を取得したもの
- 興行サービス
- 1 ヶ月超にわたりインドネシアにある支社で監査、製品品質管理、検査
- 機械や電気の設置、販売後のアフターサービス、事業調査中の製品に関する業務
これにより、機械商社などのアフターサービス業務のために招聘された外国人労働者の雇用許可が 6ヶ月に限られ、1年の労働許可はとれなくなってしまいました。 2014年3 月22 日付法律 2014年第11号「技術活動法」に、エネルギー・土木エンジニアリング・工業・天然資源保全・農業・海洋/船舶技術といった分野における科学技術の知識に基づき、専門性を発揮する外国人の技術者がインドネシアですることは、政府が定めた国家発展のための科学技術の人的資源の必要性に応じてのみ認められ、認められる場合でも外国人労働者就労許可の取得が義務であり、これを取得するためには出身国の法律にのっとった技術者資格証/登録証に基づきインドネシア技術者連盟(PII)が発行する技術者登録証の取得が必要とされています。本国の技術者資格証/登録証を持たない技術者の場合は、国内の技術者資格試験に合格して技術者登録証を取得しなければならないと規定されています。
就労ビザ申請・取得の流れ
外国人従業員雇用計画書(RPTKA)の提出
何のために外国人を雇用するかを明確にし、その受け入れ態勢が整っている企業であることを国に示すものです。外国人労働者を雇用する場合、雇用元企業における外国人就労者の人数とその人の役職、そして、仕事内容、給与、在任期間、またローカルスタッフへの教育方法などの提示が必要となります。 外国人就労手続きのオンラインシステムを通じて、労働省に外国人従業員雇用計画書(RPTKA)提出し、承認を得ます。RPTKAの取得日数は、労働省が必要書類一式を受け付けてから2日以内となっており、迅速に対応してもらえるようになりました。承認された後、雇用主は外国人労働者に関するデータを入力し、外国人労働者通知(Notification)を取得します。通知書には外国人労働者の就業場所や通知書の有効期間などが記載されていて、この通知をもって就労が可能となります。
外国人労働者雇用補償金(DKP-TKA)の支払い
通知書を受領したら、技術能力開発基金の指定銀行に対し、外国人労働者雇用補償金として、USドルで月当たり100USドル(1年分計1,200USドル)を納めます。
政府機関、外国国家代理機関、国際機関、社会機関、宗教機関、教育機関と特定の役職者のほか、株主である取締役やコミサリスの DKP-TKAは納付不要となっています。
一時滞在ビザ(VITAS)
DKP-TKA の納付が確認された後、労働省から入国管理総局宛てに雇用通知書と DKP-TKA納付証明がオンラインで送付されます。これらを受領した入国管理総局はビザ同意書(Surat Persetujuan Viza)のプロセスに入ります。 入国管理総局は、雇用主に対してビザ同意書から一時滞在許可(ITAS)までの手数料納付を指示します。その納付が確認されると、外国人労働者の犯罪歴の確認、職務経歴等の審査が行われ、もし問題がなければビザ同意書が発行されることになります。 ビザ同意書の受領から60日以内に、外国人労働者は指定の在外公館へ出頭してVITASの発給を受けます。取得期間は最長2日で、ビザ取得後インドネシアへ入国可能な日数は90日に限られていますので、注意が必要です。
以前は、インドネシアへの入国後7日以内に最寄り地域の入国管理局にて、一時滞在許可証(KITAS)の申請を行うという流れだったのですが、2018年の大統領令で、VITASの申請がすなわち一時滞在許可(ITAS)の申請になるというように定められました。
※以前はカードタイプのKITAS発行でしたが、オンライン登録の運用が開始し、現在KITASは廃止されています。
上記は正式なITASの取得方法ですが、他のやり方として、まず到着ビザ[VISA ON ARRIVAL:IDR500,000]で入国した後、隣国のシンガポールやタイなどの在外公館にて一時滞在許可を取得するというような方法もあります。
参考:インドネシア 外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用「外国人就業規制」詳細(JETRO2/10/2020)
インドネシアで就労ビザを申請・取得するために必要な書類
ビザの申請には雇用者が用意しなければいけない書類と被雇用者で用意しなければならない書類があります。必要な書類がころころ変わりますので、事前に確認する必要があります。
雇用側の企業が用意するべきもの
- KTP Direktur(受け入れ企業役員の身分証明書)
- Akte Perusahaan(定款)
- Pengesahan Kehakiman / Legalisir(定款認証)
- NPWP(納税者番号)
- SIUP dari Trade Department(営業許可証)
- Ijin Domisili Perusahaan(所在地証明書)[kelurahan/kecamatan発行]
- TDP(会社登録証)[RT/RW発行]
- Undang-undang No.7/wajib lapor persahaan(申告誓約書)
- Struktur Organisasi(会社組織図)
- KTP Pendamping & Surat penunjukkan pendanping(申告誓約書)
- Kontrak Kerja(雇用契約書)
- 技術能力開発基金USD1200
被雇用者側が用意するもの
- Foto(証明写真)
- Foto Copy Paspor (パスポートのコピー)
- CV Bahasa Inggris (英文履歴書)
- Ijazah Terakhir( 最終学歴の英文卒業証明書)
